広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    ダイキョーニシカワ社長に就任 / 杉山 郁男 氏
    NEWSなひと
    ファンフェスタ岡山開催 いきいきとした体験広める / マツダ ブランド体験推進本部 藤本 恵利 本部長
    創業25年迎え経営体制強化 自社ブランドの拡大目指す / ソアラサービス 牛来 千鶴 社長
ニュース一覧
+ 続きを読む +

グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
重慶美食辣香屋 / 陶 先蘭 店長

4月に夫の劉高福シェフと開店。共に中国重慶市出身で、故郷の味をメインに提供する。夫は2005年頃から市内の中華料理店「老四川」に勤め、稲荷町店では料理長を務めた。「日替わりランチ」(780円)はマーボー豆腐、ホイコーローなど曜日別の主菜1品にサラダ、唐揚げ、スープ、おかわり自由のご飯が付く。
「重慶料理は四川料理の中でも香辛料の刺激が強いと言われます。通常の定食は日本人向けに控えめですが、現地の味付けに変更も可能です。薬味の効果で冬の体を温めますよ」
 夜はより本格的な単品メニューを用意。例えば高菜と川魚を煮込む「酸菜魚(スァンツァイユー)」は重慶の代表的料理で、酸味と花椒(ホアジャオ)の辛さにビールが進むという。そのほか重慶火鍋コース(2980円〜)、飲み放題付きコース料理(8品4000円〜)、52品から選べる食べ放題(4500円)も。
「重慶市と友好都市である広島の皆さんに本場の料理を味わってほしい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区紙屋町2-3-10
  • ◆電話:090-1332-6999
  • ◆座席数:48席
  • ◆営業時間:午前11時〜午後3時、午後5〜10時
  • ◆定休日:不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
Lifeplus / 原田 亮 社長

理学療法士、鍼灸師として病院などで10年以上勤めた経験を生かして8月、中区東千田町に「よつ葉訪問看護ステーション」を開設。介護保険や医療保険を使った訪問看護に加え、リハビリやトレーニング、鍼灸施術にワンストップで対応しています。
 学生時代は県立広島皆実高校などでバスケットに打ち込んでおり、野球への関心はそれほど高くありませんでした。転機は2015年、黒田さんがメジャーからカープに帰ってきたこと。出る時も戻る時も「男気」あふれた彼の一挙手一投足にほれ込み、自然と球場に足を運ぶように。3連覇を果たした18年には、年間50試合以上を生観戦していました。毎年争奪戦になるスローガンに合わせた限定ユニホームを購入するため、前日の深夜から球場で並んでいたことも懐かしい。ユニホームは10着以上所有しており、ツテで頂いた新井監督のサイン入りは額縁に入れ飾っています。
 リハビリなどで伺う利用者さんとの共通の話題ももちろんカープ。それだけに9月以降の大失速はこたえました。カープの不調で多くの利用者さんが日に日に落ち込んでいくのが手に取るように分かり、カープが私たち市民の〝元気の源〟になっていることを改めて実感。試合のないシーズンオフもどこか物足りなさが募り、早くも来春の開幕を待ち遠しく思っています。近く「外出支援サービス」も始める予定。いつかはマツダスタジアムに利用者さんをお連れし、一緒に喜び合いたい。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
オリジンの力

若い頃から地域開発の仕事に携わりたいと思っていた。鉄道が地域に果たす役割は大きいと考え、JR西日本を志望したという。同グループの中国SC開発(南区松原町)の竹中靖社長(55)は、広島の玄関口が大きく生まれ変わろうとする時を迎え、その中心的な施設となる広島新駅ビル開発プロジェクトの陣頭指揮を執る。
 失敗は許されない。期待と不安が突き上げてくる。新駅ビルは2階に路面電車が乗り入れるという、世界でも稀な空間構成となる。何が起こるか、分からない。足がすくむような事態もプラスに受け入れる心構えが求められる。
 5月に「ミナモア」と命名された商業施設は〝全館カフェ〟をコンセプトに、来年3月24日開業すると発表された。だが、その後に電車の乗り入れは数カ月遅れることが判明し、来夏にずれ込むことになった。竹中社長は、
「多くの人が行き交い、集うことを勘案すると、乗り入れの遅れは施設運営の助走期間として、むしろ有り難いと前向きに受け止めている」
 2019年に駅ビルの建て替えプロジェクトが本格化。間もなくコロナ禍に遭遇し、工事費や資材の高騰、職人不足などさまざまな難題にぶつかった。店舗のリーシングに際して当初、出店に慎重な向きが多く難航したが、開業準備が進むに連れてテナントはほぼ出そろった。希望を抱く186店舗がミナモアを羅針盤とし、船出に備える。
「各テナントのこだわりと個性を尊重しながら全体の調和をどうまとめていけばよいのか綱渡りのような感覚で、ここまでこぎ着けた。SC開発の仕事は00年に大阪ステーション開発へ出向以来ずっと携わってきた。大阪梅田のエストのリニューアルで販促プロモーションを担当した時は往年の渋谷パルコを知る関係者が大勢いた。人の意識を覚醒させ、ひきつける斬新で尖ったデザイン、びっくりするCM。当時、東京の商業施設に憧れがあった。何がこんなにひきつけてやまないのかとモヤモヤしていた」
 ある日、兵庫県立美術館の展覧会で、ジャンルや国境を越えて世界的に活躍したデザイナー石岡瑛子の言葉に出会った。20年以上くすぶり続けていたモヤモヤが一気に解消された。パルコの源流がそこにあった。オリジン(根源)だと思えた。〝新しい時代〟の象徴として、パルコのブランドイメージを築いた人のメッセージが刺さった。
 ▽問題がない人生、問題がないプロジェクト、問題がない創造というのはあり得ない。問題をどうやって解決しようかと考える。その瞬間に想像もできないエネルギーが湧いてくる。
 ▽不安と期待と自信が錯綜している時間を持たない仕事はダメだと私は思う。
 ▽瞬発力と集中力と持続力を身につけて知性と品性と感性を磨く。磨いて、磨いて、磨き続ける。あるとき、ふっと深い霧が晴れるように、何かが少しだけ見えてくる。
 トップは時に己を鼓舞し、前進させる独自のよりどころが頼みとなる。本質を突いたその言葉にはっとさせられたという。
 新駅開発プロジェクトが何を目指したか、深い霧の中から光が差してきた。人に伝えられる言葉、人を動かす言葉を共有できた時、組織は目的を達成できる有機体になる。広島の未来を握る再開発プロジェクトが相次ぐ中、オリジンの共有が鍵となる。

一覧に戻る | HOME